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消えたSPEEDI

2011年 04月07日 22:50 (木)

三宅島の噴火(産総研のHPから転載。不都合があれば削除します)

 SPEEDIという言葉をご存じだろうか。ニュースにもチラリと出たし、勉強した人はたぶん知っていると思う。System for Prediction of Environmental Emergency Dose Informationの略であり、こうした事故が起こったときに放射性物質の濃度予測をするシステムである。これが宝の持ち腐れになることが好ましい状況で、活躍する状況にはなって欲しくないシステムである。

 実際にこれまでは完全に宝の持ち腐れであり、おそらく開発には億単位のお金が掛かっているはずだから、無駄に見えたかも知れない。こういうものは無駄とは言わないのだが・・・。で、これが活躍したのは火山の噴火、具体的には三宅島の噴火の時であった。

 噴火に伴って放出された有毒ガスによって、三宅島全島避難になったのが2000年だったと記憶している。この時に排出された二酸化硫黄の量はすさまじく、全地球大気中の二酸化硫黄の量を倍増させたとも言われている。当時、私はその火山ガスが関東地方へ及ぼす影響について研究していた。

 SPEEDIはそのガスの濃度分布をシミュレートするのに好都合であったのだ。論文を書くために、SPEEDI担当者の方にわざわざ特定の日について、火山ガスの流れをシミュレートしていただいたことは今でも忘れていない。膨大な計算を二つ返事でやって下さったFさんと上司のCさんには大いに感謝している。

 そんなわけで私はSPEEDIに特別な感情をもっていたわけだ。そして、いざ本番というときにそのサイトを見ると、あれ?使えないではないか。サイト自体は存在して、その能書きは立派にあるのだけど、肝心のシミュレートができないし、計算結果も掲載されていない。こりゃ、どういうわけだ?この先は推測。

 考えられることは一つ。まさに情報統制である。現場の技術者がそんなことをするわけはないので、かなり上の方からの指示なんだろう。もし、FさんやCさんがまだ担当していたのなら、その悔しさは想像に余る。3月下旬に発表(枝野官房長官が説明していた)された計算結果はおそらく別の意味で「計算された」結果であろうと思う。

 政府は「放出量が正確に把握できないため、不正確な結果になる」とコメントしている。馬鹿なことを言うもんじゃない。予測システムなんて、ある程度の誤差や間違いは当然であり、そこは専門家がきちんと説明すればよい。放出量が正確に把握できないなら、ある値を仮定して、シミュレートを行い、実測値に合うような放出量を決定すればいいだけである。

 そもそも、事故の際に放射性物質の正確な放出量が把握できるとは限らないので、当然そうした機能をもっているはずだ。ここでSPEEDIを使わないなら、それこそ税金の無駄である。今回、これがまともに機能すれば数億の開発費など一瞬で回収できるのに。

 ちなみに、気象庁も同じようなシミュレーターを持っていると思う。ここからの結果も国民には公表されていない・・・。

 業を煮やしたのか、諸外国がシミュレーション結果をWEB上でどんどん公表している。だから今更隠したって何もならないのだ。住民の避難に役立てるのはもちろんのこと、日本の技術力を見せるためにも、是非公開すべきである。マスコミもその点を追求しないとは情けない。ジャーナリズムも地に墜ちたな。

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