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IAEA専門家

2011年 04月09日 20:47 (土)

 以前ちらりと触れたけど、IAEA専門家の4名の話を聞く機会があった。新しい発見はあまりなかったけれど、これまで私が考えていたこととほぼ彼らのコメントが同じだったので、自分の考えが補強された点で収獲があったと思っている。

 IAEAがどの程度の組織なのかはよくわからない。しかし、放射性物質のプロ集団であることは間違いないだろう。その彼らをもってしてもこうした事故のデータは決して多くないわけで、様々な事象に対する解釈が必ずしも明確ではないことが確認された。つまり、エキスパートである彼らにも未知なる部分がかなりあるわけで、私のような素人が未知なる部分が多いのは当たり前であった。

 最大の関心事は、放射性物質の放出がいつ止むのかということであった。しかし、これに対する答えは「不明」。どこかの政治家が「神のみぞ知る」と発言して顰蹙を買ったようだけど、それが正直な答えのようだ(立場的に発言が適当かどうかは別)。神のみぞ知るからもう知らないよと、投げ出したのなら問題大ありだけれど、さすがにそれはないと思うから個人的には目くじらを立てるほどではない。

 そして、現在言われている水道水や食品に対する暫定基準がはたして適当なのか?という疑問。この問いに対するIAEAの回答が面白い。「その国の事情による

 これをどう解釈すべきか、私見を述べる(ブログだから私見なのは当然か)。さすがに、人の健康に急性被害を与える濃度なら明らかに不適当。また、ほぼ間違いなくガンになるレベルであれば、これも不適当。そんな濃度に基準値が設定されていれば、さすがに彼らも不適当と発言したと思う。

 そうなると、現在設定されている基準値はグレーゾーンということになる。前にも書いたように、発がんは確率であり、その確率を社会がどこまで許容するかということが重要である。つまりは社会的・政治的に基準値を設定すれば良く、これは発がんのリスクとそれを避けるために犠牲にするコストを天秤にかけた上で決定される。人命をコストで考えるとは何事かという声が聞こえてきそうだが、リソースが限られている以上、これはやむを得ないことでドライに割り切るしかない。

 例えば、毎年交通事故で5000人もの人が亡くなっている。特に飲酒運転による死亡事故の被害者遺族からすれば、車も酒もなくなってしまえと思っても不思議ではない。しかし、それらがこの世から消えて無くなることはまずないだろう。また、完成まで400年とも言われた、利根川のスーパー堤防が仕分けられて中止になった。水害で命を落とす人がいなくなれば(少なくなれば)喜ばしいことであるが、コストに見合わないというのが結論だった。そんな水害は起こらないというのは、今回の津波を見ればナンセンスであることは明白だ。

 話がそれたけど、今政府がやることは、その基準値についてしっかりと説明することだろう。つまり、「基準値は◎◎にしました。この基準値以内の食品を食べ続けると、将来にわたりガンになる確率が★だけ上がります。」ということを公表するしかない。★が決まれば、自ずから◎◎は決まるだろう。

 今回のような放射線は被曝のメリットがまったくなく、リスクだけが上がる(オッズ1の馬券を買うようなもの)。だから、上記の議論はなかなか受け入れられないかも知れず、場合によっては政権の命取りになる可能性もある。しかし、国民が情報を求めている以上、やるしかないと思う。国民もそれを冷静に判断することが求められているのは、前にも書いたが言うまでもない。ゼロリスクはないということをまず受け入れなければならない。

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