ボルボV60試乗(2)
さて、ドアを開けるとビーチウッドと呼ばれている茶色のシートが目に入る。3.0Lでは本革シートが標準である。ドアトリムなどにも効果的に茶色が使われており、非常に雰囲気が良い。この車を買うなら、内装はこの色がいいな。逆に外装色をこれに合わせるくらいかも。
無論このシート、座面がたっぷりしており、座り心地が非常に良い。特に滑るような印象もなかったし、コーナーを攻める車でもないからこれで十分というか、長距離でも疲れなさそうだから、十分どころではない。ヘッドレストがとても気持ちよく、運転中でもついヘッドレストに頭を寄りかからせたくなる(笑。
センタークラスターはボルボお得意のフローティングタイプ。例の特徴的なエアコン調整スイッチも健在である。スイッチの数がやたらと多く、人によってはごちゃごちゃしていてイヤだと思うかも知れない。私はその混沌さが好きだけど。ここのパネルはウッドがいいかな?と思うけど、それにはエクストラチャージで10万以上かかるみたいだ。
そして、ナビはHDDと高解像度の画面。輸入車と言えど、その辺はもう当たり前になりつつある。電子キーでエンジンの始動はボタンを押すタイプであるけど、キーをこの位置に差し込む必要がある。完全キーレスというわけにはいかないようだ。残念なのがメーター。基本的には悪くないのだが、最近の輸入車の美しいフォントに慣れてしまったため、ややドットが荒い表示は最新型の車にしては今ひとつだ。いやはや、贅沢に慣れてしまうと・・・。決してひどいわけではないのだけど。
走り始めはスムースだし、さすがに3.0Lターボだけあり、加速も申し分ない。低速トルクも太く、単独で試乗すると十分に思えた1.6Lモデルと明らかに違う。乗り心地はやや堅めで、ドイツ車風に思えた。ストレス無く走らせることができ、運転していてかなりリラックスできるのが、この車の特徴か。市街地と高速道路を中心に、特に高速での移動が多い人には(高速道路での試乗をしていないけど)お勧めできそうだ。
4WDと相まって万能な車であるけど、弱点は燃費。1.8tという重い車重、そしてたぶん基本設計が古いエンジンとミッション。1.6Lモデルなら、それこそ最新なのだが、こちらは最新と言われてもねぇ。同じ3.0Lターボでもアウディならその辺の対策はバッチリ取れているだろうと思う。最新型でこれじゃ、ちょっと競争力として弱い。私もステップワゴンの代わりとして考えると、選択肢からは漏れてしまう。一昔前の車なら、申し分ないのだけど、時代の流れに取り残されてしまったようだ。内容からして大変お買い得(絶対的には高い)なのに、とても残念だ。