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PM2.5(3)

2013年 02月25日 20:17 (月)

 前回は、環境基準と健康影響について書いた。そうは言っても心配で、中には測定値とにらめっこまではいかないまでも、測定値が気になってしょうがない人もいるだろう。ましてや、数値によって国が行動基準のようなものを示すという動きもあるし。では、その肝心の測定値ってどうやって出ているのか、その測定方法を知っている人は少ないだろう。

 PM2.5は細かい粒子だから、原則として濾紙上に集めてその重さを量る。現在では米国環境保護庁(EPA)で行われている方法が事実上、世界標準(FRM)となっている。しかしながら、このFRM法は手分析であるので、24時間365日の監視は不可能である。これを全自動でやるのが写真(埼玉県HPから)の自動測定機であり、これにより文字通り常時監視ができる。機械はFRM法との比較試験で同じと見なせる値が出たもの(等価性があるという)を国が認定し、ここ2、3年に設置された機械は全てこの等価性試験に合格したもののはずである。

 通常、環境基準を定める場合は、準備万端で行う。しかし、PM2.5の場合は良い悪いは別にして、見切り発進だと思っている。このしわ寄せをもろに受けたのがこの測定機器である。十分な開発時間がなかったため、等価性があると認められていてもその精度(特に低濃度時)はそれほど良くない。一例として、測定値として負の値を出すことがある。PM2.5の数値は空気1立方メートルに含まれる粒子の重さだから、理論的にそれが負になることはあり得ない。が、測定原理から値のばらつきが避けられず、現状の技術ではやむを得ないこととされている。

 地方自治体が設置したこうした測定機からの数値はオンラインで閲覧できるようになっている。どの都道府県も似たようなシステムを持っており、群馬県の場合はここになる。1時間に一度数値が送られてくる仕組みであり、これをよく見ると負の値が記録されていることがある。また、経時的な変化をグラフで表示させると、数値が乱高下しているケース(グラフがジグザグになる)も見受けられる。実際の大気が1時間毎に乱高下することはちょっと考えにくく、この辺も測定機器の数値のばらつきに起因する部分があるだろうと思う。

 こう書くと、じゃあ、測定値は全部当てにならないのではないか!と極論を言う人が出てくる。しかしながら、こうした測定値を均していくとそこそこ信頼性のあるデータになる。私の感覚からすると1時間値は参考に過ぎず、1日平均値がギリギリ、月平均にするとかなり信憑性が高い。だから、数値の変化に一喜一憂するのは意味のない行為である。そうした面から、国が瞬時値を使って行動基準を示すというのには、強い違和感を覚える。

 そんな測定機の数値を注視せずとも、もっと簡単な方法がある。どこか遠くの目標物を決めて、それが綺麗に見えるか(群馬の場合だと稜線などが最適)、自分の目で確かめればよい。はっきりクリアに見えれば、心配する必要はなしと判断する。白く霞むと濃度が上昇した可能性が高いが、空気中の水蒸気によってそう見える場合もあるため、必ずPM2.5濃度が高いというわけではない。一般の人なら、気にしたとしても精々そのくらいで十分だろう。

 測定機による測定値は絶対という信仰に近い思い込みは間違いだし、実生活上で、測定値が20でも21でも同じだろう。気にすると疲れるだけだ損すると思う。

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2013年02月27日 07:37

ていしあさんらしからぬm(_ _)m硬派な記事、ラフマニノフも
勉強になりました!!
ただPM2.5、しっかりと注目していかないと。。。。。

ラフマニノフさん

2013年02月27日 19:35

研究によって、新たに有害性がわかるものはたくさんあります。それが表舞台に出るのか出ないのか、PM2.5は前者の典型ですね。ただ、この騒ぎ方がかなり違和感を覚えた次第です。