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PM2.5(5)-行動指針はよく考えて-

2013年 03月05日 21:00 (火)

 細かい点での間違いや、思い違い、追加すべき点があろうかと思うけど、PM2.5について主要な点には触れたつもりでいる。しかし、報道を見聞きしていてどうにもおかしな点がいくつかあるので、その点について述べたい。

黄砂の時期を迎え、これからPM2.5濃度が増えるため一層の注意を

 これは間違いではない。九州北部などは確かにそうだろう。しかしながら、関東地方では不十分な説明である(以下、関東地方の話)。関東地方のPM2.5濃度は黄砂の時期とされている4~5月より夏季の方が高い場合が多い。群馬県における過去のデータを当たっても、夏季(特に7月)はPM2.5濃度が高い

 この時期は中国からの影響は極小と考えられ、高濃度の原因はほぼ全て国内である。また、秋(特に11月)は大気の拡散があまり行われず、大気汚染物質が停滞しやすくなるため濃度が高くなる場合が多い。今の知見では、どうやら冬季(12~2月)は濃度が平均して低いということがわかっているだけである。したがって、改めて注意を促すならば、年間を通して警戒が必要としておかないと、黄砂時期を過ぎると急に対策がおろそかになり、元の木阿弥になる恐れがある。もっとも私のスタンスは、「今更特に対策はしない」で変わらない。

濃度の高い時には不要不急の外出を控え、換気もできるだけ控えるなど・・・・

 これは、極めて誤解されやすく、後半部分に関してはこんな注意を出す感覚が理解できない。もし、石油ストーブファンヒーターなどの物を燃焼させる暖房器具を使用している人がいたら、そんな注意は無視して換気しないと、それこそ命にかかわる。石油ファンヒーターを標準的な日本の部屋で1時間つければ、部屋の中の窒素酸化物濃度は最も自動車排ガスの激しい交差点の数倍に達する。それでも直ちに影響はない(直ちに影響があれば、それは中毒事故となる)場合が大半だろうけど、明らかに空気の質は外気が良い。また、屋内は屋外よりシックハウス症候群を引き起こす化学物質濃度が高い場合も多々ある。数年前、シックハウス症候群が問題になったことをもう忘れてしまったのだろうか?

 このように、PM2.5だけを対策しようと躍起になると、結果としてトータルのリスクを上昇させてしまうことになる場合がある。閉め切った部屋の中に居続けると、「空気が悪い」と感じた経験がある人は多いだろう。その感覚が正常なのであって、PM2.5のために換気中止など愚の骨頂だと私は思う。また、そもそも、大気が汚染されている状況で屋内退避にどれほどの意味があるのか?高気密性の家で、高性能の空気清浄機を備えた家ならともかく、そうでなければ効果ゼロとは言わないけど効果は薄いだろう。

 発表された行動指針は、換気を控えるという表現はさすがになかった。激しい運動を避けろというのは、至極妥当、不要不急の外出を控えろというのは、人間活動を抑えて大気汚染状況の緩和を目的とするなら理にかなっていそう。皆さん、よく自分の頭で考えて、くれぐれも健康被害を出さないようにして下さいね。

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